2019年5月5日 stcom 0Comment

この季節になると、御池通りのランドセル店が賑わうようになります。有名なところらしいのですが、小さな子ども達がカラフルなランドセルをきらきらした目で選んでいるのを見ると、正直、微妙な気持ちになります。

重さ1.5キロのランドセル。荷物を入れると3キロ、5キロ、時に10キロにもなります。6歳の子どもがランドセルを背負うと、それまでの自由闊達な歩き方はできなくなります。人間は本来、骨盤を揺らして回転運動によって重心をうまく移動させて歩く構造としての骨格を持っています。しかし、ランドセルを背負うと、骨盤を回転させることはできなくなり、太ももだけを動かして歩くようになるのです。骨格や筋肉が発達してきた高校生ならともかく、6歳の子どもにとってランドセルを背負って学校に通うのは重労働です。重いものを運んでいるとつらいのでやがて體は前傾してきます。ますます太ももだけが前に出る歩き方になり、骨盤のしなやかさは失われていきます。

これを6年間続けたらどうなるでしょう。全身の動きの中心となる仙腸関節が固まり、前傾した状態で足だけを動かして歩くので全ての負担が股関節と腰椎に集まるようになります。そのまま成人して腰椎や股関節に耐えきれない負荷がかかったときには股関節の痛みや腰痛が起きてきます。骨盤の状態が変わらない限りしばらくしてよくなってもまた負担がかかれば腰痛が再発するようになります。

腰痛で医者に行くとこう言われることがあります。
「この腰痛とは一生つきあってください」

最近では腰痛が精神的なものであるという説もあります。もちろん、精神状態は体調に影響しますからあながち間違いではないと思いますが、しかし、仙腸関節の可動域も腰仙関節の状態も確認せずに「精神的なものです」というのはあまりに乱暴と言わざるを得ません。

仙腸関節の可動域があり、腰仙関節がしっかりと動かせるようになれば、腰痛と一生つきあう必要は全くなく、精神的なものと半ばあきらめのような想いを抱く必要もなくなります。体格がよくても腰痛になることがあり、體が華奢な方でも腰痛になるのは、腰痛が体型に依存しない症状であることを表しています。腰痛にならないために最も重要なことは骨盤周辺の可動域を確保することです。そしてそれは子どもの頃からの體の動かし方でも変わってくるのです。

エイスライトでは仙腸関節を柔らかくする施術と腰仙関節を動かせるようになるコアフロー体操などを教えています。
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子どもは13歳までは解糖系が主体でエネルギーを生んでいます。瞬発力が高いのでばんばんエネルギーを生んで活発に動いて疲れたら即座に寝る、という生活スタイルになります。活発に骨盤周りを動かした方が體も温まるし発育にもよいので、そもそも荷物はできるだけ持たない方がいいのです。13歳まで解糖系なのは、生物として身を守るためでもあります。外的に襲われたときに逃げるには、解糖系の瞬発力が必要です。なのでセキュリティ上も荷物がない方が圧倒的に有利ということになります。

翌日の準備をしたりするのを躾の一部として熱心に指導している方もいらっしゃいますが、エネルギー産生の仕組みで言うと13歳までは基本的に瞬発力重視なので大人と同じようなマインドで次の日のことを予想して計画を立てるのが苦手です。朝起きてその場で大急ぎで準備して出かけるのが解糖系の本来の在り方なので、むしろ集中力を高めて、昨日は起きてから20分で準備ができたから今日は15分でやってみようとか、そんな感じでその場その場に対応する能力をどんどん高めていくと、優先順位の付け方がわかるようになり、社会人になってから役に立ちます。

13歳までには体内のミトコンドリアが徐々に増えていき、エネルギーの産生がミトコンドリア系に切り替わっていきます。解糖系ではブドウ糖一分子あたり36個のATPを産むのに対し、ミトコンドリアは脂肪酸一分子あたり129個のATPを産生します。14歳頃からはエネルギー食べ物の好みや考え方も変わってくるので徐々に先々の準備をしたり計画を立てて継続的に大きなエネルギーを扱うようなライフスタイルに変化させていくとよいでしょう。

成長期の子どもは荷物を持たない方がよく、持つとしても手で持てるバッグにするのがよいでしょう。軽い布製のバッグで重さは荷物全体で体重の20分の1を基準にするのがお勧めです。体重が20キロなら荷物は1キロ位までという感じです。

今は教科書を家に持ち帰らなくてもいい学校もあるようです。本当は全部学校に置いておいて子どもは手ぶらで通うのがよいと思います。着替えとか、たまに上履きを洗濯するとか、子どもが運ぶのはそれくらいに抑えたいところです。連絡帳はメールで十分ですし、宿題は本来なくてもよいものです。

5キロ、10キロといった荷物を運ぶのはエネルギーの無駄ですし、毎日ランドセルを背負って歩くことで骨盤や骨格に致命的なダメージを与えています。子どもは自分の環境を自由に変えることができません。大人が子どもの環境を変えていく必要があります。骨盤が固まってしまう前に積極的に荷物を持たない生活に切り替えていきましょう。

あと10年もすれば荷物はドローンが運んでくれるようになるでしょう。音もなく空中でぶつかることもないAI付ドローンが開発されて重い荷物は全部持ってくれるようになるでしょう。いずれ人間も運ばれるようになるかもしれません。それまでは生活上のさまざまな局面で荷物を運ぶときに骨格や可動域にマイナスの影響が及ばないように工夫をする必要があります。

骨盤周りには大きな骨と筋肉が集まっています。骨盤をしなやかに柔らかく保つことで全身が柔らかくスムースに動くようになります。しなやかな體を保つため、できることをやっていきましょう。

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