2019年5月24日 stcom 0Comment

「最近一年があっという間だ・・・」

そんな風に感じたり、人がこんなことを言っているのを聞いたことがありますか?
実は、一年があっという間に感じられるのにはわけがあります。

私たちの脳は一秒間に4億ビットの情報を受け取っています。しかし、実際に認識される情報はわずか2000ビットだと言われています。私たちが見聞きする膨大な情報の内、99.9999%は脳内のフィルターによって消えてしまうのです。

私たちがこれまで経験してきたこと、過去に認識したものなどは既に知っている情報として消されてしまいます。同じ家で同じ仕事をして同じ食事を食べていると同じような情報は削除されていくので脳が認識する情報量が減り、前よりも時間が短く感じられるようになります。つまり、経験値が上がれば上るほど、同じルーチンを繰り返せば繰り返すほど脳が認識する時間はどんどん短くなっていくのです。

子どもの時は新しい体験、初めて見たり聞いたりすることが多いので一日が長く感じられます。年を取るにつれてすでに経験したことの繰り返しが多くなっていき、一日が短くなり、一ヶ月が短くなり、一年があっという間に過ぎていくように感じられるようになるのです。

一年があっという間だと感じるのは、毎日がすでに体験したことばかりで脳に新しい刺激がない状態であるとも言えます。

生物としての人間は過去の出来事をベースに現在をクリエイトしながら生きるという性質を持っています。人間は一日に7万回思考していると言われますが、そのうちの90パーセントは昨日考えたことと「全く同じ」であるという研究もあります。「全く同じ」事柄は、脳にとって新しい刺激とならないので、削除されます。

人間を生物としての側面からとらえると、「昨日生き残れた方法で今日も生き残る」というのが生存本能的に正しい在り方なので、昨日と同じことを同じようにするのは間違ったことではありませんし、むしろ生き残るための重要な機能であると言えます。しかしながらその生物的な本能にだけ頼っていると、ただ生きていくことだけが目的の人生になり、年を追うごとに一年が短くなっていくという結果をもたらしてしまいます。

ではどうしたら一年があっという間に過ぎてしまわないようになるのか、今日は三つのポイントをお伝えします。

その1. 
新しい人と会う
人との出会いは未知の体験にあふれています。見たことのない格好、聞いたことのない声、自分の知らない仕事や人との繋がりを感じることで脳は刺激されます。新しい人と会ってたくさん話しましょう。

その2. 
旅をする
見知らぬ土地に行くと新しい体験が待っています。空気の匂い、大地に立った感覚、見たことのない建物など、私たちの脳は旅の間中刺激され続けます。好奇心をもって新しい土地を訪れ、旅を楽しみましょう。

その3. 
アートを楽しむ、創る
アートは人間が創り出す新しい刺激の宝庫です。見たことのない色や形、聞いたことのない音を体験したりすることで脳は刺激され、特に新しいことを学んだり実践したりすると脳は新たにニューロン間の経路を開発して古い経路と交換します。積極的にアートに触れる機会を持って、自分でもなにかを創ったり音楽を奏でたりしてみましょう。

新しい人、土地、モノに出会うと、私たちの世界は広がっていきます。新たな領域に好奇心を持って踏み込んでいくことで私たちの世界に対する認識が変わり、価値観がアップデートされ、より充実した感覚で日々の生活を続けられるようになるでしょう。

ロンドン大学で7500人の公務員について「退屈さの人体への影響」に関する調査を20年間実施したところ、日常生活において高い退屈さを感じている人たちはそうでない人に比べて心臓病での死亡率が二倍高かったという結果が出ています。あまりに退屈な人生は生物的に生きていくための活力を低下させてしまうのかもしれません。

私たちは新しい出来事に触れることで脳が刺激を受け、生きることへの活力が湧き、これからも新しい世界をクリエイトしながら生きていこうという気持ちになるのでしょう。

人間は本来、瞬間瞬間ごとに変容を繰り返しています。今この瞬間を味わいながら、新しい世界に胸を躍らせながら生きていきたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です